不穏な天候が続きますが、季節はいよいよ“芸術”の秋。目に耳に、心に沁みる舞台が続々と開幕します!
【10月の“気になる”ミュージカル】
松竹ブロードウェイシネマ『42 nd ストリート』(映画館上映)10月18日~←読者プレゼント有り
【別途特集の舞台】
『パリのアメリカ人』←石橋杏実さん・宮田愛さんインタビューを掲載!
『ラヴズ・レイバーズ・ロスト~恋の骨折り損』村井良大さん、三浦涼介さんインタビューを掲載!
『ラ・マンチャの男』←上條恒彦さんインタビュー、観劇レポートを掲載!
『FACTORY GIRLS』←クレイトン・アイロンズ、ショーン・マホニーインタビューを掲載!
『ビッグフィッシュ』←川平慈英さんインタビューを掲載!
『組曲虐殺』←上白石萌音さんインタビューを掲載!
『シスター・アクト~天使にラブソングを』←屋比久知奈さんインタビューを掲載! 森公美子さんインタビューを近日掲載予定
『Saturday Night Fever』来日公演←リチャード・ウィンザーインタビューを近日掲載
『フランケンシュタイン』←中川晃教さん、加藤和樹さんインタビューを近日掲載
『デスノートTHE MUSICAL』←甲斐翔真さんインタビューを掲載!
映像の利点を生かした“最も華麗なミュージカル”映画館上映 松竹ブロードウェイシネマ『42 nd ストリート』
10月18日~=東劇、10月25日~=なんばパークスシネマ、ミッドランドスクエアシネマほか全国順次限定公開 公式インスタグラム、フェイスブック
【ここに注目!】
1933年のハリウッド・ミュージカル映画を舞台化し、80年にブロードウェイで開幕、トニー賞作品賞・振付賞を受賞した大作ミュージカル。17年、久々にロンドンで再演された際の収録映像がこの秋、各地の映画館で上映されます。
物語の舞台は『アニー』と同じく、大恐慌真っただ中のニューヨーク。新人女優のペギーはオーディションに遅刻してしまうものの、そのダンス力を認められ、新作ミュージカル『Pretty Lady』の稽古に参加することに。しかし大富豪のパトロンがついた主演女優ドロシーとステージで接触、けがをさせてしまい彼女は降板、自らも即刻クビに。ペギーの夢は、そしてショーの行方は?
もともと33年の映画版では演出家ジュリアンを中心とした物語だったのが、舞台版ではペギーのサクセス・ストーリーに若干シフト。しかし今回のロンドン版では、ペギーの物語を追いながらも、中盤にはドロシー、そして幕切れの一曲でジュリアンがすべてを束ねるような存在感を見せ(演じるトム・リスターが圧倒的)、誰か一人の物語というわけではなく、すべての舞台人の“Show must go on”スピリット、何があっても夢に向かって生きてゆこうとする心意気が爽やかに描かれています。
また何といっても、今回の収録映像では33年の映画版で一世を風靡した“バークレー・ショット”(大勢によるダンスを万華鏡のように真上から撮る技法)がふんだんに登場するのが大きな見どころ。きらびやかな衣裳をまとった総勢50名近いダンサーたちが輪を作り、一糸乱れぬ見事な足さばきを見せる様など、群舞の美しさを実際の客席からは決して見られない角度、構図で堪能できるのが魅力です。
おおらかなストーリーの中に“これでもか”とばかりに華やかなナンバーがちりばめられた舞台。めくるめく映像美に溺れる2時間強、日常を忘れさせる(松竹ブロードウェイシネマ史上)最強コンテンツと言えるかもしれません。
(文=松島まり乃)
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