Musical Theater Japan

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『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 鑑賞レポート:帝劇の過去・現在・未来に思いを馳せる、壮麗なミュージカル・コンサート

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載


日本初の西洋式演劇劇場として1911年に開場し、関東大震災や太平洋戦争を経て多彩な演目を上演してきた、帝国劇場。

建て替えのため、2025年2月に惜しまれながら休館となったこの劇場に想いを馳せるアリーナツアー、『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 が開幕しました。東京を皮切りに、札幌、神戸、小倉の各地で、「帝コン(ミカドコン)の通称のもと、豪華キャストが至福の歌声を聴かせます。

開幕記念会見には、コンサートのホストも務める堂本光一さん、井上芳雄さんと、レギュラーメンバーの島田歌穂さん、平原綾香さん、ソニンさん、佐藤隆紀さん、桜井玲香さん、岡宮来夢さん、そして石丸幹二さん(東京、神戸のみの出演)が、晴れやかな笑顔で登場。

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』開幕記念会見。 🄫Marino Matsushima 禁無断転載


「すごく舞台的(なコンサート)だと想います。我々のルーツを辿るコーナーもあり、新しい帝劇ができるまでを繋いでいけるようなコンサートになるのでは」(堂本さん)

「ミカドコンという通称がまだ定着していませんが(笑)、観ていただいたらこれは楽しいなと思っていただけるものになっているのでは。普段のミュージカルでは使えない趣向もあり、『エリザベート』『SHOCK』 のダイジェストも楽しんでいただけます」(井上さん)

「このコンサート、オーケストラの方々が通常の倍いらっしゃいます。そして前方席の方々、(仕掛けが)熱いですよ(笑)」(石丸さん)
など、出演者からコンサートのポイントが少しずつ明かされ、期待がいや増します。

会見最後には先日被災した熊本への思いも語られ、会場での令和8年熊本地震災害義援金募金箱の設置もアナウンスされました。

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載


さてコンサート本編は、帝劇のラストコンサート( CONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』)のオリジナル曲「帝劇が大好き!」に“やっぱり”が付けられた「やっぱり帝劇が大好き!」を、皆が歌い継いでスタート。

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載


今回ホストをつとめる堂本さん、井上さんの息の合ったトークを挟んで、キャストそれぞれのルーツを辿る「ルーツメドレー」が続きます。ポップスからカンツォーネまで様々な楽曲が飛び出し、改めて日本のミュージカル・スターたちのバックグラウンドの多彩さが印象付けられると同時に、桜井玲香さんやソニンさんのナンバーにおける、茶目っ気たっぷりの趣向が笑顔を誘います。(構成・演出=上田一豪さん)

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載



それぞれのミュージカルにおける“持ち歌”を披露するソロ・ナンバーでは、岡宮来夢さんのヒロイックで溌剌たる「サ・イラ・モナムール」(『1789-バスティーユの恋人たち-』)、『レ・ミゼラブル』日本初演以来愛され続け、今回も待望の披露となる島田歌穂さんの「On My Own」、馥郁たる歌声が会場を包み込む、平原綾香さんの「Firework」(『ムーラン・ルージュ』)等々の名曲が、青山郁代さん、朝隈濯朗さんをはじめとする腕利き揃いのシンガーズ&ダンサーズとともに、華々しく登場。惜しみなく本火を駆使したダイナミックな演出は、まさにアリーナ・ツアーならではでしょう。

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載


会場ごとに歌い手と楽曲が変わるデュエットコーナーでは、この日は本来、一人の俳優が二人の人格を演じ分けるナンバー「対決」を、石丸幹二さんと佐藤隆紀さんがジキル役とハイド役に分かれて歌唱。ジキルにとってこの対決がどのように見えていたのかが可視化され、非常に興味深いシーンとなっています。

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載


この日のゲストとして登場し、3曲を披露したのは市村正親さん。中でも長くエンジニア役を演じた『ミス・サイゴン』の名曲「アメリカン・ドリーム」は(歌詞の)一言、一言に味わいと軽妙さ、また動きには柔らかさとキレがあり、まさに“至芸”と言えるパフォーマンスから目が離せません。

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載


また本コンサートの特別企画として登場するのが、『エリザベート』と『Endless SHOCK』のスペシャルメドレー。前者では長大な作品を15分に短縮するという“ミッション・インポッシブル”をスタッフ、キャストが一丸となって完遂。後者は堂本光一さんの磨き上げられたパフォーマンスを存分に堪能できるひとときとなっています。

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 🄫Marino Matsushima 禁無断転載


その後も大曲が続き、ラストはやはりミュージカル・コンサートの締めくくりに相応しい、「One Day More」(『レ・ミゼラブル』)を全員で歌唱。「このパートをあの方が」という嬉しい驚きの中、客席が日本のミュージカル・スターたちの肉厚のコーラスに身を委ねていると、それまでセットの一部であった「帝」「国」「劇」「場」の四つの文字が宙に浮き、舞台上方へ。これらは実際に帝劇外観に掲げられていた文字看板で、一文字1.5メートル、80キロのものだそう。最後に改めて“帝劇”という特別な場所が印象付けられ、2030年度に予定されている新・帝国劇場のオープンが待ち遠しくなるコンサートとなっています。

 

舞台上には「帝国劇場」の4文字の他、窓口脇の看板、ロビーのソファなども。人気のお土産、シアターベアたちも特等席に。©Marino Matsushima 禁無断転載

(取材・文・撮影=松島まり乃)
*無断転載を禁じます
*公演情報 『New HISTORY COMING ARENA LIVE-The Imperial Theatre Symphony-』 8月7~9日=東京ガーデンシアター、8月13~14日=東京国際フォーラム ホールA、8月20日=北海きたえーる、8月28~30日=GLION ARENA KOBE、9月5~6日=北九州メッセ 公式HP