Musical Theater Japan

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『愛の不時着』花乃まりあインタビュー:21世紀の“世界で最も有名なラブストーリーの一つ”を、溢れる愛とともに届ける

花乃まりあ 東京都出身。2010年に宝塚歌劇団に入団、2014年に花組トップ娘役に就任。退任後はリポーターや女優として、テレビや舞台を中心に活動。最近の出演舞台に『レッド・ブックー私は私を語るひとー』『ロマンティックス・アノニマス』『フランケンシュタイン』等がある。11月には新国立劇場『巨匠とマルガリータ』への出演を控える。©Marino Matsushima 禁無断転載 


韓国の財閥令嬢で実業家のユン・セリは、パラグライダー飛行中に竜巻に巻き込まれ、北朝鮮に不時着。朝鮮人民軍の軍人、リ・ジョンヒョクに匿われ、一刻も早く帰国の途に就こうとするが、次々に失敗する。

村人たちに怪しまれ、窮余の策でセリがジョンヒョクの婚約者としてふるまううち、二人の心は徐々に接近。
しかしジョンヒョクにはソ・ダンという本物の婚約者がおり、さらにセリのかつてのお見合い相手で、詐欺罪で警察に追われた実業家のク・スンジュンも、北朝鮮に潜伏していた。
セリは無事、韓国に戻れるのか。
4人の運命が絡み合い…。

 

2019年から2020年に韓国で放映され、Netflixを通じて世界的な現象を巻き起こしたドラマ『愛の不時着』。2022年に舞台化されて24年、25年には来日公演が実現、また24年には宝塚歌劇団版も誕生したミュージカルが、この夏、日本人キャストで上演されます。

この舞台で、21世紀の“世界で最も有名なヒロイン”の一人であるユン・セリを演じるのが、花乃まりあさん。的確な人物描写に定評があり、宝塚歌劇団退団後も各方面から引っ張りだこの花乃さんですが、本作は放映時に夢中で観ていた作品だったそう。愛してやまない作品の日本版に携わる喜びから、充実のキャリアまっただなかでの“ワークライフバランス”まで、様々に語っていただきました。
(前半は合同インタビュー、後半は個別インタビューとなります)

 

ミュージカル『愛の不時着』

[合同インタビュー]

――花乃さんはご自身も原作ドラマのファンだったそうですが、今回、ユン・セリ役のオファーに対して、どのように思われましたか?

「今この瞬間に至るまで、信じられない気持ちです! (宣伝ビジュアル撮影のため)衣装を着ている今も、夢の中にいる気分になるくらい、本当に大好きな作品でした。多くの方同様、コロナ禍の苦しい時期には本当にこの『愛の不時着』という作品に救われましたし、あの時、夢中になって不時着ごっこをしていた自分に教えてあげたいくらいです(笑)。

自分が俳優をしているからには、いつかこの作品と交わることがあったらいいなという気持ちが心のどこかにはあったと思いますので、それが叶い、本当に夢のような気持ちです」 

 

――一番好きなシーン、思い出のシーンはどちらになりますか?

「多分一番見たのはやっぱり、終盤にユン・セリが走ってくるシーンですね。あそこは今見てもすぐ泣けるというくらい、本当に何十回も見ていると思います。

あと序盤の、北朝鮮に来たばかりの頃に、セリがジョンヒョクさんの家で(不便ながらも)暮らしの温かさを経験する描写がたくさんありますよね。ククスを食べたり、お風呂に入ったり、キャンドルのくだりだったり。私自身、お風呂の中でサントラをかけて、ジョンヒョクさんのお家のお風呂に入っている気持ちになってみたりしていました(笑)。

当時は実家に住んでいたのですが、母と一緒に(ジョンヒョク役の)ヒョンビンさんの身長を調べて、“私がユン・セリだったらジョンヒョクさんとはこれくらいの身長差だよね”とソファに立ってみたりもしていました」

 

――お母様とセリフを言い合ったり?(質問・松島)

「やっていたと思います。トマトを育てて、“美しいもの…、リ・ジョンヒョクさん”と言ってシーンの再現をしてみたり」
 

――元々韓流ドラマはいろいろご覧になっていたのですか?(質問・松島)

「そうですね、以前『冬ソナ』ブームの時に母がハマって、韓国語を習ったりもしていました。私もその影響でいくつか観ていましたが、ここまでハマったのはやっぱり『愛の不時着』が初めてです」

 

――では、リ・ジョンヒョクの部下で、韓流ドラマ好きの青年が憧れの人と対面する場面では、ほろりとされたりも…?(質問・松島)

「あそこはもう、本当にそうですよね」

 

――ここぞという時に連帯したり、人情味を見せる現地の女性たちもチャーミングですね。(質問・松島)

「本当に一人一人のキャラクターが魅力的じゃないですか。先日も取材で、なぜここまで愛される作品になったと思いますかと聞いていただいたのですが、やっぱり一番はキャラクターの魅力なのかなと思っていて。そこに、実際に演じられた役者さんたちの個性と魅力が本当に素晴らしく掛け合わさってできた作品だと思うので、今回の舞台で、新たな役者の個性が合わさるとどうなるのか、私自身も楽しみですし、お客様にも楽しみにしていただけたらいいなと思っています」 

 

――ミュージカル版をご覧になった印象はいかがですか?

「映像で拝見しましたが、すごく長いお話をキュッとタイトにする中で、原作ファンが“ここは外せない”と思う部分をちゃんとピックアップしてくださっているところが、原作ファンとしても胸アツでしたし、全てのキャラクターに魅力があるじゃないですか。メインキャストだけでなく、本当に一人一人の俳優さんたちがとても生き生きと演じていることで、作品の良さが失われず、それが“生物”となって伝わっているのが本当に素晴らしいなと思いました」

 

『愛の不時着』ユン・セリ(花乃まりあ)


――そんな中で、今回ユン・セリを演じるにあたってはプレッシャーもおありかと思いますが、どのように演じていきたいと思っていらっしゃいますか?

「プレッシャーはだいぶあります(笑)。私自身もファンであるがゆえに、この役をまっさらな気持ちで解釈することは、とても難易度が高いと感じていますが、やっぱりまずは、台本をいただいた時に、自分がユン・セリをやるということを一旦置いておいて、俳優としてセリフを読んだ時に何を感じるのか、一番最初に読んだ時の感じ方を大切にしたいなと思っています。

そしてとても素敵な共演者の方たちがいらっしゃいますので、皆さんと実際に芝居を合わせた時に感じるもの、生まれるものを大切にしたいという気持ちは、この作品でも他の作品でも変わらないかなというふうに思っています。

でも、やっぱりユン・セリとして外せない、彼女の強さとピュアな部分という、私を含め、たくさんの人を夢中にさせたユン・セリの魅力というものを、演じる側に立った今、改めてこう突き詰めていけたらいいなというふうにも思っています」

 

――例えば2.5次元の舞台では、演じるにあたって外側からまずアプローチするというお話をよくうかがいますが、本作もドラマ版のイメージが非常に強いかと思います。ヴィジュアルからのアプローチはなさいますか?(質問・松島)

「先ほどヴィジュアル撮影があったのですが、私より前に撮影されていた方々が、皆さんキャラクターのイメージにぴったりで素晴らしかったです。役のイメージを崩さず、それでいてそれぞれの個性が生きていて。本当にぴったりのキャスティングだなと感じましたので、私も頑張りたいです。私自身、皆さんの姿を見てテンションが上がったので、やっぱり『愛の不時着』ファンにとっては、キャラクターのイメージに沿っているっていうことも、とても大きなことなんだなと感じます。

スタイリングやヘアメイクなどは、本当に素晴らしいクオリティで作って下さっているので、ヴィジュアル・イメージの段階からお客様のご期待にもお応えできていたら嬉しいなと思います。

あとはお芝居として、どこまでキャラクターとして寄せていくかですが、ミュージカル版なので、歌や音楽の魅力をプラスして、原作とはまた違う魅力を生み出していくことができるのではないかな、と思っています。

難しいあんばいだとは思いますが、演じる上では、何かに似せて作るというよりは、まず自分の気持ちで演じてみて、なぜ原作はこのような流れになっているのかというところと照らし合わせながら、一致させていくのが一番重要かな、と思っています。気持ちが離れたまま単にイメージに乗っかって演じるのは、少し違うかなと思うので、いい感じに寄り添って行く旅を探していけたらと思っています」

 

――ドラマ版のリ・ジョンヒョクは表情を動かさないため内面が見えにくく、だからこそ時折溢れ出す感情が感動的ですが、ミュージカル版では歌があるので、非常に分かりやすいですね。
いっぽう、ユン・セリに関しては、ドラマ版でも非常に表情豊かでしたので、舞台版ではさらに表に出すのか、それともドラマと同じようなトーンで演じるのかが注目されます。(質問・松島)

「おそらく(表現は)大きくなると思います。やっぱり基本的に、舞台は引きで見ていただくものなので、映像でも舞台でも内面で起こってることは一緒だと思いますが、例えば今おっしゃったように、リ・ジョンヒョクさんは、ドラマではちょっとした表情の変化とか眼差しから伝わるものがたくさんあったと思いますが、それを舞台でやってしまったら、後列のお客様までは伝わらないといったことがあると思います。

ですので、私は今回、超・汗だくになるんじゃないかな(笑)。心も体もいっぱい動かして、上演時間の数時間の間で、目一杯感じて、生きて、動くということをやっていかないと、なかなか伝わらないと思うので、本当に汗だくでやる覚悟でおります(笑)」 

 

――今回は韓国発のミュージカルで、演出家も韓国の方です。日本の現場との違いなど感じますか?

「私自身、韓国の方の演出を受けるのは初めてで、稽古がまだ始まっていないので実際どうなのかはまだわからないのですが、韓国は今、本当にミュージカルに勢いがあって、いつの間にかみんなブロードウェイよりも韓国にミュージカルを見に行っているような時代になっていますよね。韓国発というものが日本では特に、ブランドの一つになるような時代になっていると思いますので、それだけの熱量とプライドを持ったクリエイターの方たちがいらっしゃるだろうと思っております。

韓国に限らず、海外の方とお仕事させていただく時はいつも思うのですが、日本人の俳優たちとお仕事ができてよかったと思っていただきたいなと思います。クオリティももちろんですが、現場の雰囲気だったり、作品に対する姿勢だったりというところで、いい仕事ができたとお互いが思えるような現場にできたらいいなと思います」 


――そんな中で、今回、リ・ジョンヒョク役の三山凌輝さんは今回が初ミュージカルということで、経験豊富な花乃さんとして、どう接していかれたいですか?やはり主人公二人の息がとても大事な作品ではあると思いますので。

「(三山さんは)落ち着いた印象がある方なので、同い年ぐらいかなと思っていたのですが、実年齢を聞いたら結構年下でびっくりしました(笑)。

一緒に相談しながら、何か私が力になれることがあれば嬉しいなと思いますが、さきほど撮られたヴィジュアルを見せていただいたら、もう完璧にリ・ジョンヒョクさんでした。

もうご自身の中で役のイメージを掴んでいらっしゃるんだろうなと思いますし、音楽活動をたくさんされている方なので、歌に関してもかなりのパワーを持っていらっしゃると思うので、私は何かアドバイスするというよりは、一緒に、作品に対して真摯に向き合って、いいものを作っていくワンチームっていうふうに思っていて、むしろ、時には引っ張り上げてもらいながら頑張っていきたいなと思います」 

 

――韓国ミュージカルについて、どんなイメージがありますか?

「韓国のミュージカルって本当に歌の難易度が高かったり、あと作品自体も、この『愛の不時着』は元々やっぱり映像作品からきているので、役の心の機微が、元々すごく丁寧に描かれていたものが(舞台版では)ぐっと凝縮されています。

私の印象では、韓国のミュージカルは日本人から見て、感情のうねりが激しいですね。ものすごい喧嘩をした二ページ後にはイチャイチャしてたりとか(笑)、“えー!”みたいなことが結構あるんです。

今、出演している韓国ミュージカル(『レッドブック』)にもそういう部分があるのですが、その変化だったり、感情の爆発みたいなものを大切にしていかないといけないのかなと感じます。グラデーションや微妙な心の機微というよりは、バンバンバンっと感情が爆発していくという、日本人から見るとドラマチックだったりロマンチックに感じられるところがあるので、仮に自分の気持ちが追いつかないようなところがあっても、そういったシーンをどう鮮やかにしていくか、ぜひ(韓国の演出家に)教えていただけたらと思っています」

 

[個別インタビュー]

――韓流ドラマでは“縁”を重視する作品が多いかと思いますが、本作でも、主人公たちが実は昔、スイスで会ったことがあるという設定で、それが判明することで二人の絆はいっそう深まるように見えます。こうした“縁”へのこだわりについて、何か感じる部分はありますか?

「確かにそうですね。 でも韓国に限らず、人間って“縁”を感じると、すごく心躍りますよね。例えば、私は東京の出身ですが、宝塚時代は兵庫県に住んでいたので、兵庫出身の方と会うとそれだけで嬉しくなります。

何らかの“縁”があった時に、目に見えないパワーや運命的なものを感じたり、ロマンチシズムを感じるというのは、万国共通なのではないかなと思います。日本人はちょっとシャイだから、そういうことを思ってもあまり口には出さないかもしれないけど、そういうことをダイレクトに、表に出して描いているところが、韓国ドラマがロマンティックでヒットする理由なのかなとも思います」 

 

――もう一つ、韓国ドラマの特色として、情念というか執着の強さというものがあろうかと思います。本作でも、ミュージカル版では出てこないかもしれませんが、ドラマですと終盤にソ・ダンが“私は復讐をしたい”と非常に強い思いを語っています。

「執着というよりも、愛するものに対しての思いが強いということなのかもしれません。今出演している韓国発の作品にも、日本語に翻訳された時に最初、“どういう意味なんだろう”と迷ったフレーズがあって、よく聞いてみると、自分が愛した人を守るという意識の表れだったんです。そういう意識が韓国では強いのかな、と感じています」 

 

――そもそもユン・セリは、状況がドラマティックであったがために不可避的にジョンヒョクに惹かれたのでしょうか、それともあくまで彼に、人間的に惹かれたということでしょうか。

「もちろん状況としては確かにロマンティックというか、ファンタジーな要素が強いですが、その状況の中に本当の純愛だったり、本当の運命があるというのがこの作品の良さだと思うので、そこはまっすぐに見つめていきたいです」

 

――表情からは内面がうかがいにくいジョンヒョクですが、ユン・セリとしては彼の本心や本質をキャッチしているのですね。

「ユン・セリは財閥の令嬢として生まれて、子供の頃から大人に囲まれてきて、人間が表に出さない感情に囲まれて生きてきたと思います。言葉の裏にある感情にたくさん翻弄されてきた人だと思うんですよね。だから、言葉じゃないところにある人間の本質みたいなものを見ることにとても長けていて、ジョンヒョクについても、その内面にあるものに惹かれていくのかなと思っています」 

 

――音楽について、楽曲に触れてみた印象はいかがですか?

「韓国のミュージカルは、まず歌が難しいなといつも感じます。“この音の後にこの音に飛ぶんだ”みたいなことが多くて、今回もそうなんです。でもちゃんと歌いこなせれば本当に素晴らしいものになると思いますし、全力を注ぎたいなと思ってます」

 

――特に“私たちスイスで会ってたのね”と不思議な縁が判明してからのデュエットは、二人のハーモニーがとても綺麗ですね。

「そうですね。『愛の不時着』はユン・セリとリ・ジョンヒョクの愛の物語なので、その二人のシーンがどのように描かれるかというのは、舞台版でもお客様がすごく注目されるところだと思いますし、デュエットソングがどんなものなのかっていうのは一番楽しみなところですよね。  だからこそ、そこはやっぱり大切にしていきたいなと思っています」

 

――どんな舞台になったらいいなと思われますか?

「この原作ドラマはやっぱり、キャラクターの魅力とそれぞれの役者さんたちの持ち味とが掛け合わさって、素晴らしいケミストリーで生まれた名作だと思います。それらを丸ごとキャッチしながら、そこに自分自身の解釈だったり、生の感情をちゃんと込めてお届けできたら、この日本初演版の魅力が浮き上がってくるのではないかと思いますで、とても高い壁だとは思いますが、そこを目指していけたらいいなと思っています」

 

花乃まりあさん。©Marino Matsushima 禁無断転載


――ご自身についても少し伺えればと思います。花乃さんは宝塚歌劇団のご出身ですが、どんなきっかけで志したのでしょうか?

「もともと帝国劇場や劇団四季にもミュージカルを見に行ったりはしていましたが、宝塚を初めて見た日の帰り道に、母に“ママ、私ここに入る!”と言ったそうです。子どもながらに、他の舞台とはまた違う唯一無二の魅力を感じたようで、恋に落ちたという感じでした」

 

――宝塚の世界観に対する恋、でしょうか。

「そうですね。どなたかお一人のスターさんの追っかけをするというより、宝塚という世界に恋していたと思います。『ベルサイユのばら』のプログラムを、ずーっとよだれをたらして眺めていたりしました(笑)」

 

――そして見事音楽学校に合格され、憧れの世界に入られたわけですが、宝塚で得られた一番大きなものは何だったとお感じですか?

「やっぱり、人とのご縁だなと思います。同期生もそうですし、相手役さんとの出会いもそうですし、一緒の組で、舞台を一緒に作らせていただいた上級生、下級生も、スタッフさんや演出家の先生もそうですし、本当にかけがえのない縁をいただいたなと思います。
私自身は若くて未熟で、足りない部分が本当に多かったのですが、がむしゃらな姿を見守ってくださったファンの方々も本当に温かくて。私にとっては人とのご縁が、一番大きい財産です」

 

――退団以降も充実のキャリアを築いていらっしゃいますが、令嬢的なお役から野性味、あるいはユーモアセンス全開のお役まで、ふり幅が非常に大きいですね。ご自身的にはどんな役柄との出会いを求めていらっしゃいますか?

「もうちょっと若かった時は、三、四作ぐらいティーンのお役が続いたりしたこともありましたが、この一、二年、確かに役の年齢にもばらつきが出てきたり、今までだったらちょっとやったことのないお役もやらせていただくようになったりと、バラエティの豊かさを自分でも感じています。

どんどん新しい役の扉を開いていきたいと思いますし、演出家さんやプロデューサーさんたちに“こういう花乃さんが面白いんじゃないか”と思っていただけることならば、どんどん意欲的に挑戦したいなという気持ちがあります」

 

――どんなお役にも活き活きと命を吹き込んでいらっしゃる花乃さんですので、今回のユン・セリ役も“ぴったり”と思われた方は多いと思われます。

「本当ですか⁈ そう思っていただけたら嬉しいです。

私は本当にユン・セリも『愛の不時着』も好きすぎて、自分が演じるということが今でも信じられないのですが、実は以前、フジテレビさんがこの舞台の上演権を手に入れたというニュースを見た時、当時のマネジャーさんに“私、絶対ユン・セリやりたい”と言ったらしいんです(笑)。今回、この役が発表になって“ぴったりだね”というお声を結構たくさんいただきますが、それはすごく励みになっています。皆さんの期待を裏切らないよう、一ファンとしても、しっかりユン・セリを作っていけたらいいなと思います」

 

――お差支えなければうかがいたいのですが、資料によると、花乃さんは2024年に出産されているのですね。

「そうです、はい」

 

――翌25年には、壮絶な役どころをつとめた『フランケンシュタイン』含め、4作品にお出になっています。精力的に舞台をつとめながら育児もされているのが驚異的なのですが、どのようにワークライフバランスを取っていらっしゃいますか?

「いえ、全然とれていません(笑)、本当です。よくそうやって聞いていただくのですが、ワークライフバランスはめちゃくちゃです(笑)。多くの働く女性がきっとそうであるように、私もおむつを片手に泣きながら家に帰ることもありますし(笑)、もっと優しく穏やかにいたいのにと思いながら、ついついガミガミしちゃったりすることもあります。

でもこれまで、忙しくてもお仕事に楽しく取り組んでこられたのは、やっぱり家族の存在とサポートがあってこそだなと思いますし、愛は人間を強くしますよね。 私はそれが原動力になる人間なんだなと感じます。

まだ息子は小さいのですが、私が仕事に向かう姿を見て、“社会に出るってすごく楽しいことなんだな”と感じてほしいし、仕事を楽しんでいる私を好きだと思ってもらえるような、そんなお母さんになれたらいいなと思っています。仕事と子育て、どちらの時間も全力で生きている…そんな自信だけは持ち続けたいです」

 

(取材・撮影・文=松島まり乃)
*無断転載を禁じます
*公演情報 ミュージカル『愛の不時着』7月12~26日=THEATER MILANO-Za、7月31日~8月2日=東京建物Brillia HALL 箕面 公式HP

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