Musical Theater Japan

ミュージカルとそれに携わる人々の魅力を、丁寧に伝えるウェブマガジン

『ALTAR BOYZ』(2025【GOLD】)観劇レポート:虚構と現実のあわいで弾むハーモニー

『Altar Boyz』2025 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

ダイナミックなギター・サウンドが轟き、ステージに5人の青年が現れる。
“新しい歌 広まる世界”…。
おもむろな導入から弾むように展開してゆくオープニング・ナンバー、“We Are The Altar Boyz”。メンバーのマシュー、フアン、ルーク、アブラハム、マークは、きびきびとフォーメーションを変えながらソロ・パートを渡し合い、サビ部分では息もぴったりに声を合わせる。

 

『Altar Boyz』2025 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

この日は神に仕える彼らアルターボーイズのツアーの最終日(という設定)。“ソウル・センサー”で会場内の“迷える魂”を計測しながら、メンバーたちは数値のゼロ化を目指し、エネルギッシュに歌い踊る。

 

『Altar Boyz』2025 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

その甲斐あって数字は順調に減って行くものの、ある時点で不可解な表示が。
メンバー自身が抱えているものが反映されているらしく、彼らの背景が少しずつ明らかになると…。

 

『Altar Boyz』2025 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

ライブの臨場感と芝居の見応えが同居するミュージカルとして、2004年にNYで初演、日本でも2009年以来、人気を博してきた『ALTAR BOYZ』が、9度目の上演。アルター・ボーイとは聖壇の側で司祭を助ける侍者を指し、彼らに因んだボーイズ・バンドのライブというコンセプトのため、必然的に宗教的背景も有する作品ではありますが、玉野和紀さん演出の日本版はダイナミックな振付を多用、アドリブや笑いも多く取り入れ、キリスト教に縁のない観客も訪れやすい作品となっています。

 

『Altar Boyz』2025 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

今回は GOLD、SPARK、SAPPHIREの3チーム体制での上演。2017年に結成されたGOLDチームは今回、マーク役に大音智海さんを迎え、コーラスの美しさに定評のある『ジャージー・ボーイズ』経験者3名を擁することに。

 

『Altar Boyz』2025 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

圧倒的熱量で舞台を力強く牽引する大山真志さん(マシュー)、艶のある歌声と(不安げな「いつもと同じ~」など)ちょっとした台詞の愛らしさで早速マーク役に馴染んでいる大音智海さん、人懐こい関西弁とアクロバットで独自のフアン像を確立している松浦司さん、やんちゃ坊主のルークを溌剌と体現する石川新太さん、目の覚めるようなバットマンなど、端正なダンスを見せこのチームに欠かせない存在となっている常川藍里さん(アブラハム)…と、個性を異にする5人の魅力が、2時間ノンストップで炸裂します。

 

『Altar Boyz』2025 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

 

俳優自身の瞬発的な喋りで構成されるコーナーもあり、虚構と現実が入り混じる不思議な感覚も味わえる本作。年末には3組が一堂に会する合同公演も予定されています。

 

『Altar Boyz』2025 🄫Marino Matsushima 禁無断転載

(取材・文・撮影=松島まり乃)
*無断転載を禁じます。

*公演情報『ALTAR BOYZ』12月5~18日=I’M A SHOW (アイマショウ)※【Team GOLD】・【Team SPARK】・【Team SAPPHIRE】の3チーム制で上演。 
合同スペシャル公演 12月27~28日=有楽町よみうりホール 公式HP