上演中の『ビリー・エリオット』で、タイトルロールを演じている4人の少年たち。トレーニング形式のオーディションで1511名の中から選ばれ、本稽古に備えてきたものの、コロナウイルス禍の影響で7~8月の公演は中止に。試練を乗り越え、晴れて9月からの公演に臨んでいる彼らですが、ビリー役との出会いをどのようにとらえているでしょうか。多忙なスケジュールの合間を縫って、Q&A形式で回答いただきました。
――ビリーという少年について、あなたが一番共感できるポイントは?
川口調さん(以下・川口):地方からオーディションを受けに行くところです。ビリーはダーラムからロンドンへ、僕は兵庫県から東京へというところが似ていると思います。
利田太一さん(以下・利田):踊りたい!という気持ちです。
中村海琉さん(以下・中村):時々、感情的になってしまうところです。
渡部出日寿さん(以下・渡部):バレエに対しての情熱がすごいところです。
――オーディションが始まってから、一番自分で「成長できたな」と感じる部分は?
川口:バレエです。バレエのレッスンでは3~4回転ができるようになりました。
利田:長期間のレッスンで体力がついたと思います。
中村:器械体操が成長できたと思います。
渡部:芝居の意図に沿ってしゃべることや、タップのリズムです。
――稽古の過程で、大人の方々(指導の先生方、キャスト)に言われて一番嬉しかったのはどんな言葉ですか?
川口:ブレイスウェイト役の森山大輔さんに幕間に「1幕良かったよ」とほめていただいたことが嬉しかったです。
利田:ダンスの先生から「太一はビリーに必要なものを持っているから、自信を持って!」と言われたことです。
中村:いろいろな先生方から言われた「カイルはやればできるんだから!」という言葉です。
渡部:演技の先生から「芝居が良くなったね」と言われたことがすごく嬉しかったです。
――体力的にとってもハードな役に見えますが、一番やりがいがあると感じるのはどの場面ですか?
川口:“ドリームバレエ”の最後、お父さんの前でピタッと止まれた時に「やった!」という気持ちになれます。
利田:“アングリーダンス”は疲れますが、それを超えて頑張りきることです。
中村:1幕最後に自分の全てをぶつける“アングリーダンス”の場面です。
渡部:一番は1幕の最後に感情を爆発させて踊る“アングリーダンス”です。大変だからこそ、力を振り絞って全身で表現するのに、やりがいがあると感じます。
――この作品で、特に好きな台詞がありましたら、理由とともに教えてください。
川口:「さよなら、母ちゃん」です。甘えん坊のビリーがお母さんに成長した姿を見せようとするのが、とても感動します。
利田:「俺はバレエダンサーになりたいんだ」です。ビリーがロイヤルバレエスクールに行って、踊りたい!バレエを続けたい!という気持ちがすごく伝わるからです。
中村:「またな、マイケル!」です。親友のマイケルと別れる最後の言葉だからです。
渡部:僕の本心でもあり、そこにビリーの情熱や意志が重なる「俺は、バレエダンサーになりたいんだ」という台詞です。
――最後に、この作品に興味を持っている方々に、メッセージをお願いします!
川口:みなさんに感動していただけるように頑張ります!
利田:僕が「踊りたい!」という気持ちが皆さんに伝わるよう頑張ります!
中村:初日よりも回数を重ねて、もっと成長するので、ぜひ見に来てください!
渡部:毎回、舞台で新たな発見や挑戦を楽しんでいます。皆様もぜひ劇場に足を運んでいただき、一緒に舞台を楽しんでいただけたら嬉しいです。
(取材・文=松島まり乃)
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*公演情報『ビリー・エリオット』9月11日~14日オープニング公演、9月16日~10月17日=TBS赤坂ACTシアター、10月30日~11月14日=梅田芸術劇場メインホール 公式HP